日本のコメ・麦などの安全安定供給を壊し、危険な多国籍企業の遺伝子組み換え種子のみしか手に入らなくのでは、と心配されている「主要農作物種子法」の廃止。森友・加計問題の裏側で、昨年の国会で本年3月で廃止することが国民の知らないところでこっそり可決成立しました。

私もこれは来年の発効に向けて動いている米国抜き「TPP11」への下準備なのでは、ととても心配しています。そもそもTPP(環太平洋経済連携協定)とは、日本の農産物・工業・芸術・文化・医療・保険その他、あらゆる分野を多国籍企業に売り渡し、骨までしゃぶり尽くすことが狙いの、究極的な新自由主義社会をめざす、史上最悪の条約である、と私は受け止めています。

さすがに現場の生産者や消費者の怒りや不安の声が根強いためか、さしあたって2018年度は都道府県で種子法に代わる要綱を作成するなどして現行の体制を維持する方針とのことです。


「種子法」廃止受け 都道府県 18年度は体制維持 新ルール作り検討(日本農業新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180321-00010001-agrinews-pol

 種子の安定供給を都道府県に義務付けてきた主要農作物種子法(種子法)が3月末に廃止される中、2018年度は、全都道府県が種子関連事業をおおむね維持し、安定供給の体制を継続する方針であることが20日、日本農業新聞の調べで分かった。地域に適した品種の維持は行政の管理が不可欠との姿勢。種子生産に行政が責任を持つ新たなルール作りに動く県も出始めた。ただ、同法廃止の狙いは民間の参入促進にあるため、種子を企業が握る危うさは残る。19年度以降も、行政の動向に注視が必要だ。

 全都道府県に、聞き取り調査した。その結果、18年度は種子法に代わる要綱を作成するなどして現行の体制を維持する方針。その上で、新たな制度や仕組みを設ける動きも出ている。

 全国一の種もみ産地の富山県は18年度、新規事業で種もみ生産技術拠点の整備に着手する。民間や他県の育成品種の原種を病気のない状態で供給するため、隔離圃場(ほじょう)や検定温室を整備する。

 埼玉県は18年度から、種子産地の強化と若返りを図る新規事業を始める。他産地との連携や共同乾燥施設の設置といった解決策を探る。若い生産者の掘り起こしや技術継承の方策なども検討して「産地強化計画」を作成する方針だ。

 米産地の新潟県は、同法に代わり稲などの種子の安定生産と供給体制を維持する条例を作成する。2月に条例案を県議会に提出し、4月1日の施行を目指す。兵庫県も新たな条例の制定を進めており、4月1日の施行を目指す。北海道は18年度に現行の体制を維持しつつ、19年度以降に条例制定を含めて検討する方針だ。

 都道府県から共通して「優良品種の維持と供給に行政の関与は不可欠」との声が上がった。この他、「地域の気候に適した独自の品種が求められ、育成者の県が主体的に関わることが不可欠」(東北の県)などと、行政が一定の役割を果たす意向が多数を占めた。「なぜ種子法を廃止したのか分からない」などとして、廃止理由に疑念を示す声もあった。

 同法は1952年の公布以来、米、麦類、大豆の優良な種子の安定供給を都道府県に義務付けてきた。しかし、規制緩和を図る政府は17年、同法が「民間の品種開発意欲を阻害している」として廃止法案を成立させた。

 農水省は同法廃止について17年11月、都道府県に対して通知を発出。「これまで実施してきた業務を直ちに取りやめることを求めていない」としつつ、種子生産について「民間の参入が進むまでの間、行政の知見を維持し、民間への知見提供を促進すること」とし、民間の参入を促す取り組みを求めている。