幼稚園や学校で「皆勤賞」の廃止や見直しの動きが進んでいるそうです。

勤勉さの証とされてきた皆勤賞。

確かに皆勤賞を貰うと、嬉しいといえば嬉しいでしょう。しかし、皆勤賞が自己目的化してしまうことの弊害も問題になっています。 実際、体調が悪くても賞を目当てに登園・登校する(あるいは保護者が登校を無理強いさせる)子どもも珍しくないようです。また、台風で電車がストップしたり、インフルエンザに罹患した場合でも、出勤を強制する職場も少なからずあると聞きます。インフルエンザで出勤や登校をすれば、それこそ他の多くの人々にウィルスを撒き散らすことになって迷惑で、罪でさえあると思いますが。

下の朝日新聞の記事では、「休むべき時には休むという考えを小さい頃から教えたい」ということから、皆勤賞を廃止した幼稚園の例が掲載されています。

https://www.asahi.com/articles/ASMD34PY2MD3PTIL00F.html


皆勤賞をめぐっての私自身の経験ですが、小中学校時代は恥ずかしいながら、微熱程度の風邪で欠席や早退することもありました。正直、友達関係がうまくいかない、運動会の練習が嫌、という逃避とも重なっていましたね。親が電話で学校に連絡を入れたら、「微熱ぐらいだったら、なるべく休まないでください」と注意の一言を受けたそうです。通院を理由に早退して(それも大したことではなかった)、クラスメートに馬鹿にされたこともあるなぁ。

高校時代は、その反動なのか、勤勉さを印象付けようと、逆に38度近くの熱でも休まずに登校しようとするが、親に止められました。大学進学を目指すばかりに、授業を一度でも欠席したらついてゆけなくなる不安はあるし、やはり皆勤賞を取りたいという「欲」もなかったわけではないと思います。

しかし、皆勤賞にこだわるということは、むしろ恥ずべきことでさえある、と今思いました。インフルエンザなどにもかかわらず無理に登校・出勤するというのは、他の人に感染させることであり、周りに迷惑を及ぼしているわけで、思いやりに欠けると言えるからです。自分の皆勤賞や学業成績よりも大切なことがあるのです。授業が遅れて不安だったら、友達のノートを借りるなり、先生に聞いたりすれば済む話。体調が悪いのに無理すれば、病気を拗らて重症化、それこそ長期欠席や入院など、高くつくことにもなりかねません。授業についてゆけず成績が下がるばかりか、医療費が圧し掛かるなど家族に迷惑だし、「健康管理もできない注意力散漫な奴」と見なされることにもなりかねず、良いことはありません。いかに皆勤賞があまり褒められるものでないこと、がわかると思います。