本日、山形の老舗百貨店「大沼」が自己破産申請した、と報じられました。

山形の百貨店大沼が自己破産申請 集客回復せず再建を断念 320年の歴史に幕(河北新報) 
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202001/20200127_52026.html

「大沼」は1700年創業、全国3番目の老舗百貨店です。しかし、経営悪化が続き、米沢店(米沢市)を2019年8月に閉店。その後、消費税増税に伴い売上げが前年同期に比べ10%以上も減少。資金繰りは依然厳しいまま集客は回復せず、2020年1月26日に営業停止、事業継続を断念。翌27日山形地裁に自己破産を申請しました。従業員(約180人)は全員解雇する方針とのことです。

「大沼」は米沢店閉店後、山形県唯一の百貨店となっていましたが、今度の山形本店閉店により、全国初の百貨店(厳密には百貨店協会会員)ゼロの県に。山形市は東北最大の都市、仙台市と隣接しており、仙台の百貨店、あるいは郊外のショッピングモールなどへの顧客流出の影響ももちろん大きいでしょう。

今夏、徳島そごう閉店が決まっており、徳島県が百貨店ゼロの県になる見込みですが、山形県に先を越されました。今後、地方を中心に百貨店ゼロの県が増えるでしょう。

近畿圏においても、西武王国・滋賀の象徴であった西武大津が今年中の閉店予定です。これにより、滋賀県では近鉄百貨店草津店が唯一の百貨店となります。和歌山県でも既に丸正・大丸・高島屋が消え、近鉄百貨店が県内唯一という始末。滋賀・和歌山とも近鉄電車は通っていないのに。ちなみに三重県では、四日市の近鉄百貨店が県内唯一の百貨店となっています(かつては三交百貨店や四日市の松坂屋もあったが)。近畿圏では百貨店は近鉄百貨店だけという県が多いですね(近鉄王国の奈良・三重は当然と言えば当然ですが)。