高校数学(大学受験)の数学勉強法について、私自身の経験と反省をもとに、思うことを書いてみることにしました。 

高校時代、数学は好きな科目の一つでした。だからといって、高校3年間、ずっと数学で90点や100点を取り続けていたというわけでもなく、一つ勉強法を誤ったゆえに(それは数学だけの1科目単体というより、受験戦略全面的に)、高2の2学期から成績が伸び悩び、高校生活全体的に何もかも中途半端になってしまい、不満が残ったことを後悔しています。

以下、高1・2までを中心に、数学をどうすればよいか、今の私ならこうするだろう、ということでまとめてみました(大学入試体制が大きく変わる予定ですが、現体制のもとで検討してみました)。

1)高1・2の段階では英語とセットでメインに力を入れる。特に復習をしっかりやる
2)実は数学も「暗記科目」である。特に問題の解法パターンを覚える
3)問題集は基本・標準レベル1冊に絞り、何度も繰り返す
4)(文系志望で)数学を受験に使う予定がなくても、定期テスト対策はガッチリやる

上記4点に注意すればよいと考えています。もとから数学が好き・得意だという人は、2)の「暗記」は、特に意識しなくても良いでしょう。

数学の好きな人、あるいは理系の大学進学を希望する人の中には、数学の難しい問題集にこだわる人もいるかもしれません。実を言うと、高校時代(特に高1時代)の私はその一人でした。

ただ、限られた時間の中でやることの多い受験勉強において、これはあまり得とは言えません。

時間的余裕のある高1・2のうちは、それよりも英語や国語など他の科目の勉強に力を入れる(特に「英単語を覚える」こと)、友達を作る、部活に燃える、読書に励む、あるいは思いっきり遊んだり、バイトで働いたりするほうが、これからの長い人生にはもちろん、当面の大学受験においても利徳が大きいように思います。高校時代の私自身、それがうまくやれず、何もかも中途半端だったことを後悔しています。

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数学は予習・先取りよりも、復習のほうが大切。夏・冬・春休みの学習には、数学を復習する時間を必ず取ることです(かといって、数学ばかりに力を入れるのは考え物。英単語も毎日覚えましょう)。この機会に定期テストを解き直しましょう。

問題集は、なるべく学校配布のものを使いこなすようにしましょう(あまりにも「お粗末」な場合、数学の先生に相談して良い問題集を探すとよい)。それも1回解いてお仕舞いではなく、2回・3回と繰り返すこと。そうこうしているうちに、解法パターンが自然に身について自信がつくはずです。解説がどうしてもわからない場合、とりあえず「解き方」を暗記してしまうのも一つの手(→少なくとも定期テストは乗り切れると思います)。

余力があるなら、難しい問題集に手を出すよりも、高2・3の先取り学習を少しでも進めるほうが得策でしょう。進学校と呼ばれるところでは、高2までに高校3年間の全範囲を終えるのが普通なので。高1の段階でも、「数I」のセンター(→新共通テスト)対策はやっておいて損はありません。

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文系志望で受験に数学を使わない、という場合はどうするか?

問題は大学入学後。経済学とかでは数学を当たり前のように使うことになり(社会学や心理学、行動科学などでも数学を使うことは少なくないだろう)、「数Ⅲ」(理系は特に必須)の範囲の微積分も必要になるが、高1・2までの基礎理解が定着していれば、「数Ⅲ」をマスターするのもさほど苦ではないはずです。必要なら、大学入学前学習として、高1・2時代の数学の定期テストを解き直すぐらいのことはやっておいて良いかもしれません。

文系志望の受験生も、できれば数学を選択することをおススメします。暗記する量の非常に多い社会(特に日本史・世界史)よりも、数学選択のほうにお得感があります。「受験で数学を選択した人」の年収は何倍にもなるとの研究調査も報告されています。数学を選択しないのは、もったない話ではありませんか?