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吉野川(紀ノ川)の流れゆく五條市。

五條は奈良大和路と和歌山を結ぶ交通の要衝であり、山深い吉野・十津川への入口でもあって、古くから栄えた。奈良県ではあるが和歌山県橋本市と隣接しており、鉄道はJR和歌山線のみだ。橋本・九度山と並んで柿の生産量はトップクラスを誇る。柿の葉寿司も五條の名物だ。

五條から吉野の山々を縫って(現在の国道168号線に沿う形で)十津川、本宮などを経て新宮とを結ぶ、紀伊半島縦断鉄道の夢は昔からあって、十津川村の一つ手前、阪本(大塔村→五條市)までの鉄道線(五新鉄道→阪本線)は具体化され、一部区間の路盤の整備までには至ったが、結局鉄道は通らなかった。整備された路盤の一部は国鉄(JR)バス阪本線の専用道として活用された。JRバス撤退後奈良交通が運営していたが、つい最近廃止された。国道24号線を通ると、奇妙なコンクリートのアーチ橋を見かけるが、これも五新線の遺構だ。

これとは別に、奈良交通の八木新宮線がある。ほぼR168を道なりに走行し、全国最長の走行距離・所要時間を誇る。