久しぶりに本を1冊紹介したいと思います。

蛯子能収(えびこよしかず) 『ひとりぼっちを笑うな』

「ぼっち」を好む人には、手にとってお読み頂ければと思いました。

よく「孤独」「ぼっち」は「負け組」とされる嫌いがあります。私も昔、「友達がいない」「モテない」などと嘆き散らすことがありました。しかし、実のところ、もともと自分は「ぼっち」「孤独」のほうが好きだったようです。仲間に誘われるよりも、自分のやりたいことがある。それは何も悪いことではないでしょう。実際、「ぼっち」「ひとり遊び」が好きだという人は、想像以上に多いようですね。

「つながり」「人付き合い」「絆」だとかと喧伝し、やたら群れたがる人も多いですが、われわれそんな世間の「孤独=負け組」の呪縛にかかっているのかもしれません。

「つながり」「絆」はもちろん良いことでしょう。しかし、「孤独」「ぼっち」にも良さがあると思います。

私も今まで「つながり」の中に入っていこうと、いろんな社会活動や、SNSを通じたオフ会、その他に関わってみました。長続きしなかったものがほとんどですね。でも、長く続かなくても、一時的な協力関係として前向きに捕らえても良いのではないでしょうか。学校時代に親しかった友達も、卒業すれば疎遠になることは、ごく普通のことです。「昨日の友」が裏切って「敵」に寝返ることもあるのが、残念ながらこの人間社会の現実。「去るもの追わず」で構えるほうがよさそうですね。

「孤独は力なり」という言葉があって良いと思います。孤独だからできることがある。自分のやりたいことに打ち込めばよい。自分の興味関心や趣味について周りの人に理解してもらえない、と僻んでしまうこともあるが、地道に続けていれば誰かが見てくれます(もちろん、間違ったことをがんばるのはやめるほうがよいです)。

逆に何でも群れたがる、人にばかり頼る、ちやほやされることにしか関心がない人は、最終的に嫌われるでしょう。

それから、「友達が欲しい」と思うのなら、自分からつながろうと働きかけ、努力すること。好かれるために(あるいは嫌われないために)自分を改める努力も必要ですね。嘆きながらじっと待っても、友達はできないでしょう。